フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州サンダニエレ村にやってきました。
プレアルプスの高地からほど近くに広がり、その裾野にはタリアメント川が流れています。
北からの冷風とアドリア海からの暖風の二つの風が、川の流れとも相まって天然の「空調設備」の役割を果たしています。風通しの良さ、気温の低さ、砂利が多く水はけのよい土壌。これらの自然条件が、肉の熟成のために理想の条件を作り上げています。このサンダニエレの空気はイタリア政府によっても保護されているのです。法律で大気汚染の可能性がある工場の近隣への進出が禁じられています。

この土地が肉の保存に適していると発見したのはケルト人だと伝えられています。
ケルト人は豚肉を大量に消費し、豚肉の保存のために塩を用いた最初の人々でした。そして彼らはそのサンダニエレ丘陵地の気候が肉の保存に適するばかりではなく、その質を向上させるという事実を知っていたのです。こうして彼らのよって熟成技術が編み出されたのですが、「人工的な」工程は最初に塩を揉み込む作業に限られ、熟成はまったく自然現象だけに委ねられていることを考えると、この製品は奇跡に等しいものと言えるでしょう。
豚であればみんなサンダニエレ産生ハムになれるとは限りません。生まれた時から運命は決まっていて、選ばれた子豚には、大きくなるまで常に肥料など特別な管理が行われるのです。

サンダニエレ用の豚は厳選されたイタリア国内の農場で「保護生産サークル」に帰属する農場で育ちます。そしてその豚の11kg以上のもも肉のみ選別されて加工されます。重量の足りないものは痩せすぎで脂身と脂のない部分のバランスが完璧ではなく、適度なやわらかさが得られないとみなされ、また大きすぎるもも肉も完璧な熟成を妨げるとみなされています。

体重と肉の熟成度の微妙なバランスこそが、この生産サークルで飼育された豚の秘密であり、体重が160kg、9ヶ月以上飼育されたもののみがサンダニエレ産生ハムになりえるのです。

法律では、脂身の大きさや生肉の時の状態、屠殺の際の切り方、豚の選別方法まで定められています。 また、サンダニエレ産生ハムの特徴を維持するために、サンダニエレハム協会では、毎年の最高生産数を設定し量を制限することによって品質を保証する努力を行っています。
最終更新日:2018年11月30日